保育園だより

ユネスコスクール認定とESD活動内容のご紹介

認定こども園日比野保育園は、加盟申請における国内審査を終え、ユネスコ本部に申請中です。現時点では、「ユネスコスクール・キャンディデート」と位置づけられ、加盟校と同様にユネスコスクールの国内ネットワークに加入や活動が可能となっています。

■ユネスコスクールとは

ユネスコスクールは、ユネスコ憲章に示されたユネスコの理念を実現するため、平和や国際的な連携を実践する学校です。文部科学省及び日本ユネスコ国内委員会では、ユネスコスクールをESDの推進拠点として位置付けています。現在、世界180か国以上の国・地域で11,000校以上のユネスコスクールがあります。日本国内の加盟校数は、「国連持続可能な開発のための教育の10年(DESD)」が始まった平成17年から飛躍的に増加しており、令和5年12月時点で1,090校となり、1か国当たりの加盟校数としては、世界最大となっています。

参考リンク先:ユネスコスクールユネスコスクールについてユネスコスクール加盟校

 

■「キャンディデート校」とは
日比野保育園は、加盟申請における国内審査を終え、ユネスコ本部に申請中です。現時点では、「ユネスコスクール・キャンディデート」と位置づけられ、加盟校と同様にユネスコスクールの国内ネットワークに加入や活動が可能となっています。

■本園におけるESD活動の概念

ESDとは「持続可能な開発のための教育」(Education for Sustainable Development)の略称です。 持続可能な開発とは,将来の世代のニーズを満たす能力を損なうことなく,現在の世代のニーズを満たすような社会づくりのことを意味しています。

当園ではESDにおける様々な分野を持続可能な社会の構築の視点で捉えています。
私たちが考える、持続可能な社会の構築とは、子どもたち一人一人が成長する過程の中で、安全に過ごし健康に生活する中で友達や地域に積極的に関わること。そして、その経験が子どもたちにとって社会につなげていく第一歩の視点であると考えています。
特に、国際理解学習、世界遺産や地域の文化財などに関する学習、その他関連する学習に繋がる体験を幼児期に行う事で、縦断的な学習成果が期待できるのではないかと考えています。

■ESD活動の目的

そこで、本園におけるESD活動の目的として、「子ども一人一人の学び」から、友達を介して、「友達と一緒に活動する」楽しさを味わいます。そして、保護者や身近な地域を視野を広げ、「地域の中にいる、僕、私」とし、つながりを広めることとしました。

本園におけるESD活動のねらいは持続可能な開発に関する価値観を育む多文化に触れ、興味関心を育むです。
日本文化を中核に捉え、多文化に触れる機会を大切にしています。
また、食育では野菜の栽培を通し、継続的な観察や収穫の楽しみを味わいました。
さらに、安全教育として避難訓練や年長児を対象とした安全教育を行い、自分の身を守る意識を培ったり、地域とのつながりを意識し小学校につなげられるようにしました。
これらの活動を年間指導計画の中に位置づけ、特色ある保育の一環として行いながら日々の保育の中に取り入れ、子ども達だけでなく保護者の方々にも子ども達の成長を通して共通理解につなげていきました。
活動は幼児を中心として行いましたが、幼児の姿を乳児は見ながら生活しています。
子どもたちは、生活のほとんどを保育園で過ごします。そのため、活動の区切りがなく継続的に取り組むことができました。
まさに保育園だからこそ、体系的に取り組むことが可能でした。

■多文化に触れる

【歌とリズム遊び】
・活動内容:日本のわらべうたや世界の民謡に親しみ、音を感じ笑い楽しむ。

・活動期間:1年間
・対象:年長、年中児

【英語で遊ぶ】

・活動内容:英語でゲームをしたり、簡単なコミュニケーションを知る。
・活動期間:1年間

ESD活動実践を紹介します。ゆかりんのうたとリズム遊びでは、
音楽に合わせて手遊びをしたり、体を動かし、踊りながら音を感じ笑い楽しんでいます。
友達と取り組むことにより、協調性を養う中で共感するわらべうた、唱歌など日本語のおもしろい言葉、簡単な音程を聞き取れるようにしています。
1年間を通して行われ「おはながわらった」「茶摘み」「しゅじょじのたぬきばやし」といった日本の童謡やイギリス民謡の「ロンドン橋」、スイス民謡の「オーネブリ」、韓国民謡の「トラジ」など、世界各国の民謡もカリキュラムに組み込まれています。
子ども達は、日本を始め、世界の音楽にも触れ、親しむことが出来ます。
多文化を知る中で、英語にも興味関心をもてるよう、年長クラスで取り組んでいます。
体を動かしながら、英語の歌を歌い、自分の名前や年齢を言います。
ハロウィン、クリスマス、お正月といった行事を通じて、他の国の様子を知ったり英語で発表をしたりしています。

■日本の伝統文化に学ぶ

・活動内容:日本の民謡(ソーラン節)を踊り、楽しむ。
・活動期間:4.5月
・対象:年中児、年長児

 

「日本の伝統文化に触れる」生活の中で、日本の伝統文化に触れるということはどの幼稚園や保育園でも行っていることかと思いますが、何故、日本文化を体感することが大事かというと、子供達が後々成長して自分のアイデンティティを自覚するようになってくると、その幼少期の体験が自分の大切な軸になってくると考えるからです。

花まつり(お釈迦様のお誕生日)、こどもの日、七夕、お月見、餅つき、など伝統文化にふれ、お遊戯会の発表会では日本舞踊を舞うことが伝統行事となっています。

■日本の伝統文化に学ぶ

活動内容:日本の伝統文化に触れながら、思いやり・他者への気遣いなど茶道の心を学ぶ。

活動期間:12月.1月

対象:年長児、保護者

礼儀と作法を学びます。
年長児は12月1月にかけて、お寺の本堂で茶道のお稽古をします。以前は1月2月にお稽古をして3月には保護者も招いて「春のお茶会」を開催していましたが

今年度は1月に「新春のお茶会」ということで開催しました。

こちらのお稽古を通して、「相手を気遣う、思いやりの心」や礼儀作法などを学びます。
上の写真は、こどもたちのお茶会の後に保育教諭たちがお茶会を経験しています。若い職員が多いのですが、こういう体験はなかなか珍しいようで貴重な体験となっているようです。

 

■食育
・活動内容:栽培を通じて、食への関心を高める。
・活動期間:5月から9月
・対象:2歳児から年長児

食育では、5月から9月にかけて、夏野菜の栽培を行っています。土に触れ、ナス、ピーマン、トマト、オクラ、枝豆、など夏の野菜を年中までのクラスはグループごとに、年長クラスは、個人で、育てます。
こちらは2歳児クラスがオクラを栽培し、最後は乾燥させて種を取り出すところまでの栽培記録です。
収穫して、それを給食に取り入れて食べたり、オクラスタンプを作ったりして、野菜へ対する、また、食事に対する興味を深めることができました。

■安全教育

・活動内容:安全ついて学び、危険から身を守る意識を持つ。
・活動期間:12月・1月
・対象:年長児

 安全及び健康に関する活動です。「全ての活動の基礎となる、安全、及び健康に関する意識を高める」ことを目標としており、こちらが他の全ての活動の、基礎的なところになると認識しています。

園内における危険な場面を子どもたちと一緒に確認をし、どのような場所で、どのような行動をすると危険につながるかを考えていきました。

また、実際に園内探検をし、危険箇所を探したり、園外にも行き、園周辺の道路、公園などでも危険につながる場面を考えていきました。

■取組成果

以上のESD活動実践から、取組成果として次のことが明らかになりました。
保育園という施設の特徴を生かし、生活の中に自然とESD活動を取り入れることができ子どもたちは自然と体験、経験することができました。
また、子ども一人一人の成長の過程の中で安心、安全、健康といった子どもの成長に必要な側面と友達との関わり、大人との関わり、地域との関わりといった人とのつながりを大切にすることで、持続発展可能な社会につなげていけると思います。

■今後の課題

取組の成果として、子ども達は日々の生活の中で自然とESD活動に取りくみ、子ども達の姿から保護者へもアプローチすることが出来ました。

しかし、現段階として本園のみの活動にとどまっているため、他機関、他園との交流も視野にいれて行くことが今後の課題だと考えます。

これからも、子ども達と一緒にESD活動に取り組んで行きたいと思います。

 

 

 

 

 

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